ウィダー8耐 2位 賞金15万円獲得

自分が参戦しはじめて4年目の大会。これまで入賞はするものの3位に入れず悔しい思いをしてきたウィダー8耐。しかも過去2回は自分が原因で表彰台に絡めない展開となっている。特に去年の1走1周目での落車巻き込まれは、悔やんでも悔やみきれない結果だった。そんな経験から今年は絶対に落車に巻き込まれたくないと、1年間ずーと考えてきた。


●第1部「1走で予定2時間」
ウィダー8耐の1走の朝はいつも忙しい。チームの皆が陣営の準備を進める中、6時半にはジャージに着替えてアップへの準備に入らなければいけない。8時のスタートに向けて、7時からローラーでいつも通りのアップをする。アップをしていると続々とチームの皆が集合してきて、挨拶を交わしながら心拍を上げていく。
アップが終わりスタート地点へ向かうが、チップを忘れてあわてて陣営に戻る。チップをつけて再びスタート地点へ。場所取りしてもらったリーダーにお礼をし、スタートを待つ。前列には8時間のライバルになるであろうチーム光やアストロの姿も確認できる。
ローリングスタートでスタートし、しばらくは招待選手のスキルシマノが先頭を務めてくれたので、その直ぐ後ろに着けていく。昨年の失敗から今年は「集団先頭の一列棒状地帯以外では走らない」と心に決めていた。スキルシマノの選手も追い越して、1周目は先頭でゴールラインを通過する。しばらくするとスキルシマノの選手達はレースに影響しないように先頭は引かなくなり、周回遅れとの接触を避けるために、スペースの確保のために動いてくれていた。さすがに8時間エンデューロだけあり、序盤から積極的に引いてくれる人など皆無である。本来、自分も引く必要などないのは十分承知だが、とにかく落車を絶対に避けたかった。そのため常に先頭5番手より上に位置していたので、結果的に先頭もたくさん引くことに。途中あるチームから「何周ぐらいで交代ですかー?」と聞かれたが、「適当に1時間から2時間ですかね〜」なんて答えると、驚いた様子。あくまで目標はスタートから2時間である。1時間も過ぎると優勝候補のチームも協力してくれて、ほぼ2人で引き続ける。その人に「うちのチームは万年4位で今年は3位を目指してます。優勝は狙ってないので最後まで連れてってください」とお願いし、「とりあえず2時間はマッタリ行きましょう」なんて話しながら2人でペースを作り続けた。
でも引きすぎがたたって2時間に満たない時間で交代をリクエスト。
何とか交代前に集団を抜け出し濱松君に後を託した。
今年はそれ以降も大きな動きも無く(N西さんの出走した数周を除きます)終盤まで集団が機能する展開となった。


●第2部「ホジェリオとの逃げ」
5時間を過ぎた頃に2回目の出走が必要になってきた。これがまたきついんですよね〜。アップしていても負荷のわりに変に心拍が上がったり、逆に負荷をかけても心拍の噴け上がりが悪かったりして、足もどよーんとだるい。
午後1時半ごろリーダーからバトンタッチ。しっかり集団を離してタグをもらったので、集団復帰は楽々。集団も20人ぐらいで非常に足もそろっていてAve40km/hぐらいできれいに先頭交代しながら進んでいる。「このペースならまた1時間半ぐらいははしれるかな」なんて思いながら周回を重ねる。ただ問題はこの集団内に同一クラスが4チーム入っていること。できれば表彰台確定させるためにも1チーム減らしたい。でも集団は安定していて、仕掛けることは難しそう。集団には南紀クリテBR−1で三船選手と争って2位に入ったホジェリオもいる。(実は後で知ったのだけど。)
30分ほど10数人でローテーションしながら楽々ペースで走っていると、あるチームが次の周に選手交代するようだ。序盤は選手交代時は前に行っても追わないが、終盤に入ってくると宣言しての交代はある意味危険でもある。交代ロスを使って振り落としにかかることがある。
そんなことを思っていたら、案の定ホジェリオがチームメイトのアシストを従えて、交代のために集団を離脱してペースを上げる選手を追い始めた。かなり本気のようなので、自分もついていくことにする。ホジェリオのアタックは凄まじく、シケイン抜けたところで集団を20mは置いていった。さすが実業団で先頭争いをするだけはある(後で知ったことですが。)自分も10mほど遅れてホジェリオを追う。息も絶え絶えに何とかスプーン手前で追いつく。追いつきざまにホジェリオがローテで前に出ろとのジェスチャー。しかしいくらなんでもここまで追ってきたため、出たくても出れない。スプーンを登りきる頃にはホジェリオにも少し置いていかれてしまった。苦しそうにしていると、一緒についてきたと思われるゼッケン9番の方が、前に出てくれて2人でローテして何とかホジェリオに追いつく(ありがとうございました)。そこからは3人でローテしながら半周し、メインストレートでホジェリオが引くとゼッケン9番の人は切れて行った。そこからはホジェリオと2人での超ハイペースローテ。半分意識が飛びそうなほどのペースで先頭交代してく。なんとか半周着いていくが、ダンロップの登りでかなり限界を感じて少し離れる。チーム員がこちらに来ていたら、この周で交代したかったが、残念ながら見当たらない。S字は何とか間隔を保って着いていくが、さすがにストレートでホジェリオの背中がどんどん小さくなっていく。この時点でも集団とは20秒ほど空いていたので、次の周で交代とチームに伝え、なんとかリードを維持して1周したかった。しかしさすがに1人で逃げ切れるほどの力は無く、どんどん集団が近づいてくる。先導バイクにクラクションを鳴らされると「やっぱりダメか」とへこみながら、最後のストレートを登る。集団につかまりつつシケイン上のチームピットへ向かい濱松くんへバトンタッチ。タグの受け渡しもミスして少しロスしてしまうが、濱松くんが直ぐにリカバリーしてくれたようである。
結果的に大きな傷にはならなかったが、仕掛けたことが裏目に出て少し反省。でもBR−1のレベルを垣間見ることができ、大変貴重な1周であったことに違いは無い。まだがんばらんといけません。


個人的にはエンデューロはアンカーよりも1走のほうが好き。目立ちはしないが、きちんと走りきれればチームへ貢献したとの満足度は大きい。来年は30万円を目指して、またみんなで頑張りたい。