ツール・ド・おきなわ130km22位完走

豪雨?で大変な大会になった今年のおきなわ。天候の読みが外れ、慣れないタイヤで下りを攻められず、遅れたところでトンネルで大落車。転倒はしなかったものの大渋滞で足止め。去年より確実に登りも登れたし距離の対応もできていながら、残念ながら第3集団でのゴール。無事完走以外に今回のレースを表現する言葉が見つかりません。
でも、1年間、途中失敗はしたものの、狙った通りのパフォーマンスは出せたと思う。去年は2回目の普及川で脚が攣ったが、今年はほとんど攣らず。ヘロヘロだった源河の登りも集団から抜け出して先頭登頂できた。色々と練習に付き合ってもらったチームの皆さんには、改めて感謝を伝えたいと思います。本当にありがとうございました。


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【5時起床】
前日到着便でおきなわ入り。昼は地元の知り合いに聞いた食堂でおきなわそば。夜はいつものオクマのホテルでバイキンと、結構なカーボローディング。当日も朝5時に起きておにぎり2個とカーボショッツ3本を摂り着替えて準備。6時に名護に送る荷物を預けに駐車場に歩いて行く。去年はそのままアップに出かけたが、今年はさすがに雨なので部屋に戻りゆっくりとウォームアップオイルを塗る。
補給食としてポケットに入れておいたのはバナナカステラ2本とカーボショッツ9本。内バナナカステラ1本とカーボショッツ3本はスタートまでにお腹の具合を見計らって摂るつもり。
あと、今回最も悩んだのがホイールの選択。念のためバイクと共に送った決戦様ZIPP303以外に、酷い雨用にR−SYSにPRO3を装着して飛行機で持ち込んでいた。しかしやっぱり雨以外の走行性能以外はZIPPの方がはるかに上なのと、R−SYSの前輪がダンシング時にパキパキと変な音が出るのが心配だったので、相当酷い雨でなければZIPPで行くことにしようと考えていた。前日の天気や当日の天気図などから、せいぜい降ったり止んだりぐらいだろうと思いZIPPを選択することにした。ただ、ZIPP+コルサCXでの雨天走行の経験が少ないのが大きな心配事ではあった。
7時過ぎに部屋を出てスタート地点へ行く。さっさと出走確認票をだして少しアップに行きたかったが、どこで出すか分からない。15分ほど待っていたら、やっとアナウンスがあり提出場所が分かったので提出して7時半から合羽を上下着たままアップへ向かう。路面の感じなどを確認しながら心拍は145ぐらいまでにしておく。普及川の登りの手前まで行き折り返し、8時過ぎにはスタート地点へ戻る。ここでとくさんと合うが他の2人はDNSとの事。(これは後で懸命な判断だったことがわかります)
自転車をスタート地点に置きスタートを待つ。それほどお腹も減らないのでバナナカステラ1本だけ食べて、カーボショッツ3本は置いていくことに。結果的にレース中に摂ったエネルギーはカーボショッツ5本だけ。自分はこの程度のレース時間なら固形食は必要ないようだ。特に空腹感と戦うことも無かったし、エネルギーとしてもほぼ十分だった。
スタート10分前になったのでそろそろ何時スタート地点に行ってもいいように合羽を脱いで準備するが、どうやら国際200kmのペースが遅いようで、市民200kmとの間隔が詰まってしまったようだ。結局市民200kmの集団をやり過ごしてから10分以上遅れてのスタート。体も冷えてしまいちょっと失敗。

【予定通りの普及川1回目】
先頭に並び余裕のスタート。スタート直後に少しだけ先頭を引くが、それ以外は20番手前後で足を休める。今回の戦略はとにかくムダ牽きしないこと。前方には位置しながら無駄な先頭牽きをせず、後半に脚を残しチャンスを見て高江以降でアタックできればと思っていた。
普及川の登りに差し掛かり40番手ほどだったので、無理しない程度に順位を上げ、10〜20番手をキープ。相変わらず分かりにくいエントリーリストながら、前日のチェックでは昨年上位者のであるゼッケン番号1ケタ台と、台湾からの参加者が多数ありこの辺に気をつける。案の定700番(今回の優勝者)や701番といった前年上位者が先頭に位置する。富士150kmで知り合いになったASTROのE口さんもクルクルと軽いギヤで調子良さそうだ。
自分も予定通りムダにペースを上げることも無く20番手ほどをキープして先頭が見える位置で登る。とりあえず登りが一通り終えるところまでは大きなアタックもなく予定通りだった。

【ホイールの不安的中の下り】
しかし、ここからが良くなかった。登りの時点でダンシング時に若干スリップしたのも精神的に効いたのか、下りに入って全く攻められない。タイヤも若干空気圧を下げていたが、まだ圧が高かったようで路面を捕まえる間隔が伝わってこない。また偶然前に挟まったチームHの選手も下りが遅い。この選手につられるかの様にどんどん順位を落としていく。去年は誰よりも速かった下りが、今年は誰よりも遅かった。
どうやらこの下り区間で2人ほど逃げたらしく、最終的には去年と同じく逃げ切られてしまった。
自分は普及川を下りきった時点で50番手以下ぐらい。でもこの時点ではまだ慌ててはいなかった。
奥までのアップダウンで登りで無理しない程度で順位を回復して行く。しかしここでも下りでは何度か遅れてしまう。それでも奥の登りに入る時点では30位前後。今年は逃げとのタイム差も速めに情報が入り、普及川を過ぎたあたりで30秒ほどの差がこの時点で50秒に開いているとの事。でも1分台までなら今回の集団は力も揃っているし大丈夫そうだ。そんなことを考えながら奥はまたマイペースで登り10番手ほどで登頂。今年は軽めのギヤで回転で登るのが非常に調子がよい。脚の状態も良いし、これなら後半、他の人が疲れてきたところで十分勝負ができそうだとの実感があった。

【でもやっぱり下りで遅れる】
そして奥から辺戸岬までの下り区間で何とか粘って着いていこうと思っていたが、下りかけのところで勢い良く何かプラスチック部品のような物を前輪で踏んでしまう。結局パンクはしなかったが、下りでペースが上がった頃に若干前輪がふらつきスローパンクが始まった時のような錯覚をしてしまい、意図的にペースを落とす。しかししばらくしてもなんとも無いので少しペースを上げ始めるがこの時点ですでに40位より後ろ。既に集団は40人程度まで絞られており、少し集団からも遅れている。
しかも悪いことに、というか元々予定通りだけど、85kmの集団が130kmの前に入ることに。これは想定内で、しかも辺戸岬の後のトンネルはとてつもなくすべる事は事前に知っていたので、本来なら先頭付近で通過する必要があるのだが、今回はいつもと違う理由でそれができなかった。

【地獄絵図のようなトンネルを徐行で通過】
辺戸岬からのトンネルは2つあるが、事前情報では1つめが滑るのか、2つめが滑るのか定かではなかった。そのため既に遅れ気味で85kmの集団ともごちゃごちゃになった状態で1つめのトンネルに突入。回りも慎重だし、自分はそれ以上に慎重。ここまできたら、登りで無駄脚使っでも落車はさけたかった。
1つめのトンネルは下り基調で相当怖かったが、何事も無く通過。そしていよいよ2つめに入るかと思ったが、前方ですでに大渋滞が起きている。間違いなく集団落車だ。通る所もあるのかどうかというぐらい人だらけ。なのでトンネルはいる前から徐行。トンネルに入るとそこはまるで地獄絵図。黄色い照明と相まって、さながら原爆の後の街中のよう。そこらじゅうで人とバイクが倒れ、うずくまる人や悲鳴を上げる人。自分も前方をふさがれてブレーキを軽く触っただけでスリップ。自分はコケなかったが、少し横では同じスピードでブレーキをかけた人が何人か巻き込みながらコケている。
何とかトンネルを抜けると目前にははるか前方まで長〜く伸びた集団が見える。せめて見えている先頭が130kmの先頭集団であってくれと思いながら単独で追走を始める。

【現在地不明の追走】
そもそもトンネルで130kmの選手がどの程度足止めをくったのか、先頭集団は回避できたのかも分からない。もしかしたら自分は結構前方にいるかも知れないし、逆に先頭集団は落車の影響を受けずにはるか先に行っているかもしれない。どちらにしろ、周りには130kmの選手は見当たらないので、やれることは精一杯のペースで進むのみ。平地区間も次々に集団に追いつき追い越すが、どれも黄色ゼッケンの85kmの選手。そのうち85kmの選手が2名ほど同じペースで走ってくれてローテを回しながら普及川まで。130kmの選手も3人ほど抜いたが集団ぽいのは見えてこない。普及川に入っても見えるのは黄色の85kmと緑の200kmの選手ばかり。青色の130kmの選手は数えるほど。すると前半結構いいペースで走っていた選手達を2、3人見つける。登りでは自分のが速いので待たずに登っていく。山頂に着いても集団らしきものは見えない。下りでは1回目ほどではないがやっぱり遅く登りで抜いた選手2人に抜かされる。
そして高江のアップダウンに入ってまた抜き返す。この辺から少し雨も小雨になり下りでも遅れなくなった。
そこからポツポツと130kmの選手を吸収するが、みな着いてこれずに切れていってしまう。
そして高江のアップダウンが終わる頃に、青色ゼッケンが3名ほど入った集団を発見、合流する。ゼッケン701の前年上位者も入っているので、もしかしてメイン集団かと思ったが、話を聞くと同じようにトンネル落車の影響で遅れたとの事。前に何人いるかもわからないとの事。ここには85kmの実力者も多く、15名程度の集団を形成する。
平良の平地区間に差し掛かったこともあり、ここから抜け出すのは難しくなりしばらく集団で休ませてもらうことに。
審判者からは先頭と「90秒」との情報が入るが、どうやら85kmの先頭のことのようだ。というか、たぶんゴールのタイム差を考えるとこの情報も間違っていたような気がする。結構いいペースで展開していたので源河に入るまでは完全にお任せ。一応何度か先頭も牽かせてもらうけど、85kmの邪魔をしてはいけないので、あんまり無理はせず。

【源河も登れたのに】
この時点でも脚はそれほどきつくない。確かに無理をすれば前腿は攣りそうな感覚はあるが、シッティングでの登りは明らかに余裕がある。
源河に入ってマイペースで登ると自然に集団から離れていく。順位は関係ないけど、やってみたかった源河でのペースアップなので、行けるとこまで行ってみる。しかし130kmの実力者2名と200kmの選手が少し遅れて着いてくるので、完全な抜け出しにはいたらなかった。(もちろん勝負がかかっていたらお互いもっと激しく踏んだから、もっとちがったかもしれないけど)
源河を終わると、余力のあるメンバーだけが残りあとは最後までそのメンバーでローテーション。
一応、何位か分からないので、下手に追いつかれるのはイヤだし、余力も十分あったのでローテーションも多めに入って先頭を牽く。

【念のため集団先頭ゴール】
そのままのメンバーでゴール前の直線まで来て自分は他のクラスも含めて4番手ほど。順位を知っていればスプリントもしないけど、もしかして10位前後なら去年より上位には拘りたいし、一応危なくない程度にゴールスプリント。200m手前で加速して先頭に出ると、そのまま集団の先頭でゴール。


結果は先頭から7分以上遅れての22位。順位は昨年より悪いけど、体の出来自体は去年より確実に出来ていた事は実感。走り終わっても足は全然攣っていなかった。不安はあるもののZIPPを選択したのも、レース中にリスクより安全を取ったのも自分の選択。結果の割にはとても満足なおきなわでした。

さて、来年はどうするか?
今はしばし考えるのを止めにしよう。