心拍トレーニング:メディオ

僕は心拍トレーニングのなかでもメディオを一番重視している。いわゆるミディアム心拍域でのトレーニングであるが、目的はずばり「AT値の上昇」である。ロードレースなどの長距離系の競技で大切なのは有酸素運動の限界点をいかに高めるかにあり、その臨界点であるAT値はやはり高いに越した事はない。メディオでAT値近辺のエネルギー生成システム(有酸素脂肪+グリコーゲン)の効率と、それによる出力を高めていく事により、結果的にAT値を押し上げていく事ができる(と思う)。


よく雑誌などでは「最大心拍の83%〜85%で・・・」などと記載されることが多いが、僕の理解ではAT値が最大心拍の90%ぐらいの実業団レベルの人を想定した値だと思う。僕の様にAT値が70%代にある者は85%のトレーニングでは無酸素領域に入ってしまう。なので自分のAT値の5拍ぐらい下の心拍がターゲットの心拍になる(と思う。)
現在の僕のAT値はおおよそ145〜150ぐらいである。なのでメディオは145がターゲットとなる。(ちなみに最低38、最大183なのでAT値は74〜77%ぐらい)
レーニング方法は単純で、ターゲット心拍をできるだけキープして15分、10分程度休んでまた15分といった形で、朝練なら2本〜3本ぐらい。体調と時間と相談しながら本数は増減してもよい。


実際、2年前に取り入れた時、当初AT値が145ぐらいだったが、半年ほどで153程度まで上昇した。(残念ながらその後、練習量が減りそれ以上の改善データは取れなかった)
また心拍域ごと(LSD、AT値未満、AT値以上の3段階)の練習時間をグラフにするとよく分かるのだが、このメディオ領域の心拍での練習時間というのは、意識していないと非常に少なくなっている。一人の時はLSD、チーム練習ではAT値以上となりやすく、よほど意識しないとメディオ領域のトレーニングは確保されないのである。