心拍トレーニングは上げすぎに注意

先に断っておきますが、以下の内容は医学的な裏付けやがあるわけでもなく、著名な選手の話ではなく、僕が今まで聞いたことなどから立てた仮設(主観かな)です。
心拍トレーニングをするときには、誰でもそうだと思いますが、下限心拍と上限心拍を設定すると思います。この時にトレーニング効果を出すために下限を下回らないように注意する人も多いと思いますが、僕が最も重要視しているのは「上限を上回らない」事です。
何故か?と言うと、それは人間の体のエネルギー生成システムの切り替えメカニズムにあると思います。


良く「LSDは15分以上運動した後に効果が出始める」なんて事を聞くと思います。これはもちろん間違いではなく、脂肪燃焼をエネルギーとするのは、15分程度軽い運動を続けてからだと言えます。
これを時系列的に人間の脳がどのように判断しているかを考えて見ましょう。なんらか運動(有酸素レベルの軽い運動)を始めた直後は、その運動に対応するためにますは手っ取り早く血液中のエネルギーを使い始めます。脳も最初の段階では運動の負荷が軽いかどうか、これからもそのレベルが続くかどうか分からないので、確実なエネルギー生成システムを使うのだと思います。しかしその後も軽い運動が続けば、脳も「これぐらいなら脂肪でも十分間に合うエネルギー供給スピードだな」と判断し、だんだん血液中のグリコーゲンから脂肪燃焼に切り替えていくのだと思います。その時間が15分ほどかかるのでしょう。
しかし脂肪燃焼に切り替えたあとでも、いったんそれで賄えない程度の運動負荷に上がってしまうと、その運動レベルを維持できないとまずいので、脳は必然的により効率の良いエネルギー生成システムへと直ぐに切り替えて行きます。そしてまた脂肪燃焼に戻すには15分程度かかってしまうと考えられます。
このことからエネルギーの生成システムは、より上の効率の高いシステムへの切り替えは比較的早く変化するが、逆に下のシステムへの切り替えは比較的遅いのではないかと思われます。そのため、例えば1時間LSDして脂肪燃焼するつもりが、15分おきに登りなどで負荷を上げすぎていると、実はほとんど脂肪燃焼システムを利用せず、グリコーゲン中心の練習になっているかもしれません。だから上限を超えないようにすることが重要と考えています。
もちろんエネルギー生成システムは、スイッチのようにパッと切り替わるわけではなく、じわじわとシステムが入り混じりながら切り替わっていくので、それほど神経質に守る必要はありませんが、心得として、下限より上限を意識した方が、より効果的だと思います。